図解『イシューからはじめよ』

ビジネス書

こんにちは、kenzoです。

資格試験受験のため、なかなかブログに手が回らず、だいぶ久しぶりの更新となりました。試験も無事終わりましたので少しずつ更新を再開していきたいと思います。

突然ですが、皆様の職場で大きな成果を上げている人にはどのような人がいるでしょうか?

きっとどんな職場であっても
「この人は、いつも忙しそうにしているけど、仕事内容はイマイチだな」
という人もいれば
「この人は、いつもスマートに仕事をこなしているうえに抜群に成績も良いよな」
という人もいると思います。

では、成果が出る人と出ない人にはどのような差があるのでしょうか。

本日紹介する「イシューからはじめよ」の著者、安宅和人さんは、ご自身の経験の中で「本当に優れた知的生産には共通の手法がある」ということを見出し、その手法を本書の中で紹介しています。

ここでキーワードとなるのが、本書のタイトルにもなっている「イシュー」です。

それでは詳しく見ていきましょう。

イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」 [ 安宅和人 ]

価格:1,980円
(2021/11/14 19:25時点)
感想(29件)

著者の紹介

まずはいつもの通り著者の紹介から。

安宅 和人(あたか かずと)
1968年富山県生まれ。東京大学大学院生物化学専攻にて修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。4年半の勤務後、イェール大学・脳神経科学プログラムに入学。平均7 年弱かかるところ3年9カ月で学位取得(Ph.D.)。2001年末、マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーの1人として、飲料・小売り・ハイテクなど幅広い分野におけるブランド立て直し、商品・事業開発に関わる。また、東京事務所における新人教育のメンバーとして「問題解決」「分析」「チャートライティング」などのトレーニングを担当。2008年よりヤフー株式会社に移り、2012年よりチーフストラテジーオフィサー。幅広い事業戦略課題・大型提携案件の推進に加え、市場インサイト部門、ビッグデータ戦略などを担当。データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員ほか公職多数。2018年より慶應義塾大学環境情報学部教授。著書に『シン・ニホン』(NewsPicksパブリッシング、2020年)。

出典:amazon

上記の通り、著者の安宅和人さんは東大大学院を出てからマッキンゼーを経て脳神経科学を学び、現在はヤフーのCSOと慶應義塾大学教授を兼任しているという強烈な経歴の持ち主です。
まさにビジネスの実務と理論双方を兼ね備えた人と言えます。

近年の著書「シン・二ホン」がベストセラーになったことも記憶に新しいかと思います。

今回は安宅さんが2010年に書いた「イシューからはじめよ」を紹介させていただきます。
(シン・二ホンもいずれは紹介したいと思っておりますが、残念ながら2021年11月現在まだ読めていません・・・)

本書のキーメッセージ

本書の冒頭では次のように述べられています。勝手ながら本書のキーメッセージとして紹介させていただきます。

多くの人は、マトリクスのタテ軸である「解の質」が仕事のバリューを決める、と考えている。そして、ヨコ軸である「イシュー度」、つまり「課題の質」についてはあまり関心をもたない傾向がある。だが、本当にバリューのある仕事をして世の中に意味のあるインパクトを与えようとするなら、あるいは本当にお金を稼ごうとするなら、この「イシュー度」こそが大切だ。

出典:イシューからはじめよ

私含め多くの皆様が仕事や日常生活で様々な問題ごとに直面することが多いと思いますが、「イシュー度」の高さで考えると、それら問題ごとの多くは重要なものではないと、本書では述べられています。

では、そのイシューとは何なのか?イシューを見極めるためには我々はどうすれば良いのか?
この記事では、そのあたりを中心に一部の内容を要約し図解に変えて解説していきたいと思います。

バリューのある仕事とは?

突然ですが、皆様は「バリュー(価値)のある仕事とは何か?」と問われたら何と答えますか?

「質の高い仕事」「丁寧な仕事」など多くのいろいろな考え方があると思われますが、これらは本質的な答えになっていません。

本書では、バリューの本質を考えるにあたり、「イシュー度」と「解の質」の2軸のマトリクスが紹介されています。そして、このマトリクスの右上の象限に入る「イシュー度」も「解の質」も高い仕事のみが「バリューのある仕事」です。
反対に言えば、どんなに時間がかかる丁寧な仕事であっても右上の象限に当てはまらない仕事はバリューのある仕事とは言えないということです。

本書において、「イシュー度」と「解の質」の定義は以下のように述べられています。
イシュー度:自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
解の質:そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い

上記の定義をもう少し簡単にすると以下のような図になるかと思います。

そしてキーメッセージにも書いたように、多くの人が「解の質」がバリューを決めると考え「イシュー度」にはあまり関心を持たないようですが、タイトルにもある通り、著者は物事の「イシュー度」を見極めることから始めることが大切であると本書で繰り返し述べています。

良いイシューの見極め方

前項にてイシューから始めることの重要性について書きましたが、正直対峙している物事がイシューであるかどうかを見極めることは簡単ではありません。

そこで本書で紹介されているイシューの見極め方を紹介します。なお実際の書籍内では様々なアプローチでコツや方法を紹介されておりますが、この記事ではkenzoが重要だと思った2つに絞って紹介したいと思います。

相談する相手を持つ

いくらイシューが重要、と言われても仕事の経験が浅い状態でイシューを見極めることはできるはずがありません。
またこれは経験を重ねたからと言って簡単にできるようなものでもありません。前述したようにイシューから物事を考えることは実は多くのビジネスパーソンができていないことです。

イシューを見極めるためには「実際にインパクトがあるか」「説得力あるかたちで検証できるか」「想定する受け手にそれを伝えられるか」という判断が必要となり、これにはある程度の適切な経験と「見立てる力」が必要になります。
やはりこういった場合に取るべき対策として、プロジェクト管理を実施した経験のある人材やその分野を研究している人物に相談してみることは非常に重要です。

これだけで、一人で考えを巡らせるだけでは思いもよらなかった考え方を提供してもらうことが可能になります。

一次情報に触れる

一次情報とは、誰のフィルターも通っていない情報のことを指します。

つまりすでにインターネット上で公開されている調査データ等ではなく、

  • 生産ラインの現場従業員の話
  • 小売店での店員の話、顧客の話
  • プロジェクトの対象としている地域の住民の話

等が一次情報に該当します。

一見当たり前のように思えるかもしれませんが、一次情報を集めることは、実は多くの人ができていません。むしろ優秀な人ほど書物などでまとめられた情報を効率的に集めたがる傾向があるようです。

技術の進歩によって、スマホなどを駆使すれば一般的な情報は簡単に手に入るようになりました。しかし、物事が起きている現場に足を運び、そこにいる人々とコミュニケーションをとらない限り理解できないことは驚くほどたくさんあります。適切なイシューを設定する、という観点において、現場を肌で感じることは欠かせない要素といえるでしょう。

終わりに

いかがでしたか?

もしかしたら前回までの記事に比べて今回の記事は図解が少ないと感じた人もいるかもしれません。
実はこの「イシューからはじめよ」、実際の書籍の中にも多くの図解が使われ、すでに非常にわかりやすい内容になっています。

そのため、今回のkenzoの記事は、すでに分かりやすい本書をさらに深く理解するための入門編の参考記事として読んでいただけたら幸いです。

いずれにしてもイシューから物事を始めることは、個人的にも非常に重要なことだと思います。
私自身、仕事を毎日こなしていく中で、つい答えを簡単に出せそうな仕事から取り掛かってしまいがちです・・・。
本書を読んだことをきっかけに、「今の仕事は本当にイシューなのか?」という視点を常に持ちバリューのある仕事をしようと改めて思いました。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

また次回の記事をお楽しみに。

イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」 [ 安宅和人 ]

価格:1,980円
(2021/11/14 19:25時点)
感想(29件)

この記事のライター
渥美 研司

1988年生まれ
2010年から旅行会社にて法人営業を経験。
2019年~2020年までは旅行会社子会社のシンクタンクに出向。
2021年以降、旅行会社本社にて新規事業開発に従事

独学での資格取得ノウハウや読書経験を活かし、多くの人に役立ちたいという想いから独学応援ブログを開設した。

保有資格:
中小企業診断士
総合旅行業務取扱管理者
TOEIC810点(2023年2月5日現在)
SEO検定4級

渥美 研司をフォローする
ビジネス書
スポンサーリンク
渥美 研司をフォローする
図解で理解!色んな世界!

コメント

タイトルとURLをコピーしました