こんにちは、kenzoです。
突然ですが皆様、明日からもしもスマホが使えなくなったらどうしますか?
きっと困る人がほとんどなのではないでしょうか?
私たちの生活は、仕事もプライベートも含めてもはやスマホがなくては成り立たないような世界になってしまいました。
世界中の情報を手軽に取得できるスマホは本当に便利なものであり、私たちの生活を快適なものにする手助けをしてくれていると言っても過言ではないでしょう。
しかしながら、人間がスマホを持つことが当たり前となった現在、それ以前の時代よりも幸せになったかと言われれば大きな疑問が残ります。
皆様も体感的にスマホを持っている生活が自分自身を幸せにしているとは決して言えないのではないでしょうか。
本日紹介する著書「スマホ脳」はスマホを持つことが当たり前となった現代に警鐘を鳴らす存在として世界的なベストセラーとなっています。
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それでは詳しく紹介していきます。
著者の紹介
まずはいつものように著者の紹介から。ここではAmazon記載の著者略歴を引用させていただきます。
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アンデシュ・ハンセン
1974年生まれ。スウェーデン・ストックホルム出身。前作『一流の頭脳』が人口一〇〇〇万人のスウェーデンで六〇万部の大ベストセラーとなり、世界的人気を得た精神科医。名門カロリンスカ医科大学で医学を学び、ストックホルム商科大学でMBA(経営学修士)を取得
著者のアンデシュ・ハンセンさんは2016年に刊行されたベストセラー本「一流の頭脳」を書いたことで有名なスウェーデンの精神科医です。
そして今回の「スマホ脳」はスウェーデンでの2019年刊行以降42週にわたってベスト20にランクインしていました。
それだけ人々に与える影響が大きい本であり、著者が非常に注目されていることが分かります。
本書のキーメッセージ
著者は、本書の終盤に次のことを述べています。ここではそれを本書のキーメッセージとして紹介したいと思います。
私たちは未知の世界にいる。人間が進化し、適応してきたのとはかけ離れた世界だ。しかし今でも私たちは狩猟採集民の脳を持っていて、そこらじゅうに危険を探そうとし、すぐにストレスを感じ、気が散り、同時に複数の作業をするのが苦手だ。デジタルな世界に生きているというのに。その点にもっと配慮すれば、私たちはより健康に、健全に生きられるはずだ。
新潮社『スマホ脳』より抜粋
それが私がこの本を書いた理由だ。
上記メッセージにある通り、本書では、人間の本能や知能は狩猟採集民をしていた時代から大きく変わっていないのに対し、デジタル技術の方だけが大きく進歩してしまい、それゆえに人間の生活に様々な弊害が起きてしまっていることを指摘しています。
それではもう少し詳しく見ていきましょう。
現代社会と人間の脳の関係性
スマホの依存性や悪影響をお伝えする前に、前提として現代社会と人間の脳の関係性を理解する必要があります。
一言で言えば、人間の脳は、現代のような社会に適応するような進化はしていません。
現代は、お金さえ払えば欲しい物が何でも手に入る時代となりましたが、人間の脳は今も狩猟採集民をしていた時代のままの進化しかしておりません。
本来動物の進化というのは何万年もかかるものですが、現代のような豊かな社会になったのは直近数百年の話です。
ましてやスマホの存在がメジャーになり、普及するまでに要した時間はわずか12〜13年です。
そのように大きく時代が変化しても私たちの脳が考えることはただ一つ「生き延びて子孫を残すためにどうしたら良いか」ということだけです。
野生の世界では、1つのことに集中してしまうと自分以外の生物に襲われ殺されてしまうため、生き延びるために脳の性質は注意散漫になるようにできています。
また命の危険を感じたらすぐに「戦うか逃げるか」を選択しなければなりませんので、ポジティブなことよりもネガティブなことの方に過剰に反応してしまうようにできているのです。
![](https://zukai-de-rikai.com/wp-content/uploads/2021/03/20210328_スマホ脳.jpg)
そして著者が警鐘を鳴らしているのは、現代に生まれた「スマホ」には狩猟採集民としての人間の脳が依存しやすい仕組みが備わっているということです。
人間の脳の概要を理解したところで、スマホに関する話をもう少し詳しく見ていきましょう。
スマホに依存してしまう理由
ある調査によると、私たち現代人は1日2,600回以上スマホを触り、平均して10分に1度スマホを手に取っているそうです。
確かに、日本の電車内で周囲を見回すと感覚的に7〜8割程度の人がスマホを操作している印象です。
つまりそれほど私たちはスマホに依存していた生活を送っているということですね。
ではなぜ人間はそんなにもスマホに依存してしまうのでしょうか?
これには、脳内の伝達物質であるドーパミンが深く関わっています。
ドーパミンはよく「報酬物質」と呼ばれますが、ドーパミンの最大の役割は、「何に集中するかを選択させる」ことです。例えば、目の前に食べ物が現れた際には、「目の前の物を食べる」という選択をさせるためにドーパミンが分泌されます。
これは食べ物に限った話ではなく、例えば重要な仕事の場面などにおいても同様で、ドーパミンが分泌されることによって、私たちは重要な仕事をこなすことに喜びを感じ、もっと重要な仕事を行いたいと思うようになるのです。
非常に悔しい話ではありますが、私たち人間は自分で行動を選択しているのではなく、ドーパミンの分泌によって行動を選択させられているということです。
ではこのドーパミンとスマホはどのように関係しているのでしょうか。
みなさまがご存知の通り、スマホを使えばインターネットやSNSから手軽に多くの情報を得ることができます。実はこれがドーパミンの分泌と大きく関係しています。
人間が狩猟採集民をしていた時代において生き延びる可能性を高めるためには多くの情報が必要でした。そのため人間の脳は新しい情報を得ることに対してもドーパミンを分泌し、人間を情報収集に集中させます。
現代になってもこの脳の仕組みは変化していません。スマホ操作で情報を得ることに対して脳はどんどんドーパミンを分泌するのです。
つまり、私たちは自分の意思でスマホを手に取っているつもりでも、実際にはドーパミンによってスマホを手に取るという行動を選択させられているということです。
![](https://zukai-de-rikai.com/wp-content/uploads/2021/03/20210328_スマホ脳02.jpg)
また、ドーパミンは確実に情報を得られる状況よりも、得られるかもしれない状況の方がより多く分泌されると言われています。
このメカニズムをうまく利用しているのがLINEやメールの通知です。LINEやメールの通知が来る度に「何か大事な情報かもしれない」と脳が判断しドーパミンを分泌し、私たちはスマホを手に取らされてしまうのです。
このように、スマホには、脳にドーパミンを分泌させる仕掛けが数多く備えられており、人間が依存しやすいように作られています。
この依存性を知っているからこそ、欧米のIT企業の著名人の多くは自身の子どもにスマホやタブレットを与えないことが多いようです。
スマホを手にしてしまう理由にドーパミンの分泌が大きく影響していることが分かりました。
では、スマホへの依存は人間にどんな影響があるのでしょうか。
本書ではスマホの悪影響が数多く紹介されていますが、本記事では2つに絞らせていただきました。1つ目は集中力の低下、2つ目は睡眠の質の悪化です。
![](https://zukai-de-rikai.com/wp-content/uploads/2021/04/20210328_スマホ脳03.jpg)
それではこれら2つの悪影響についてもう少し詳しく見ていきましょう。
スマホが人間に与える影響①集中力の低下
スマホが人間に与える影響として、1つ目に挙げられるのが集中力の低下です。
みなさまは、家で映画を観ていたり、本を読んでいる最中でも、合間にスマホを見てしまう経験はありませんか?
(kenzo自身はよくあります)
そもそも人間の脳は1度に1つのことしか集中することができません。
マルチタスクと言って複数の作業を同時にこなしているように見える人でも、実際には1つ1つの作業の間を行ったり来たりしているだけということです。
そして残念ながらマルチタスクを好む人と一つのことに取り組むのを好む人を比較した実験の結果、マルチタスク派の方が集中力が低いことが分かっています。
一言でいえばマルチタスクは非効率だということです。
ではなぜ私たち人間は1つのことに集中せずに、ことあるごとにスマホを覗いてしまうのでしょうか。
この理由は、複数のことに気を分散させることがドーパミンの分泌につながるためです。
スマホから多くの情報を得られるため、どうしても注意がスマホに向いてしまうということです。
驚くことに、スマホの電源をオフにしていたとしても集中力を奪う効果は有効となります。ある実験では、被験者に電源をオフにしたスマホをポケットに入れさせた状態であるテストを受けさせたところ、スマホを別の部屋に置いていた被験者よりも明らかに集中力が低かった、という結果が得られています。
つまり、人間は、スマホをポケットに入れているだけでも、スマホが気になってしまい目の前のことに集中できなくなってしまうということです。
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スマホが人間に与える影響②睡眠の質の悪化
スマホが人間に与える影響として、2つ目に挙げられるのが睡眠の質の悪化です。
スウェーデンで精神科医をしている著者は、ここ数年でよく眠れない人が増えていることを挙げ、この原因はスマホの普及であると仮説立てています。
スマホが睡眠の質を悪化させる理由として、大きく分けて2つのことが挙げられています。
1つ目は、スマホのブルーライトを見ることによってメラトニンの分泌が減少してしまうことです。
メラトニンは人間に睡眠を促す伝達物質で、通常であれば夜に分泌量が最高値となります。しかし、スマホのブルーライトを見続けることによって、脳が、時間を昼間と勘違いしてしまい、メラトニンの分泌を抑制してしまうのです。
2つ目は、ドーパミンの分泌によって、脳が覚醒状態となってしまうためです。これは、集中力低下と同じ理由ですが、眠る前にスマホを見ることによって、スマホからあらゆる刺激を受け、脳はドーパミンを分泌します。そのため、本来眠るはずだったにも拘わらず、情報を得ることに意識が向けられるため、脳はどんどん目覚めてしまうのです。
![](https://zukai-de-rikai.com/wp-content/uploads/2021/04/20210328_スマホ脳05.jpg)
また、スマホがそばにあるだけで集中力が低下してしまうことと同様に、スマホが寝室にあるだけで睡眠が妨げられてしまうことも分かっています。
デジタル時代のアドバイス
本書では集中力低下、睡眠の質の悪化以外にも様々なスマホの弊害が挙げられていますが、この記事では、代表的な例としてその2つを紹介しました。
いずれにしても、現代を生きる私たち人間にとってスマホは欠かせないものでありながら、実は私たちの生活に決定的な悪影響をもたらしていることが分かったのではないかと思います。
これらの悪影響を把握した上で、私たち人間がスマホに依存しすぎないようにするためにはどのような対策を取れば良いのでしょうか。
本書ではスマホの悪影響を防ぐための具体的なアドバイスが紹介されていますが、本記事では、その中から重要かつ実行しやすいとkenzoが思ったことを少しアレンジして紹介したいと思います。
①まずは自分のスマホ利用時間を知る
みなさんのスマホには、恐らくスマホの利用時間を教えてくれるアプリケーションが搭載されていると思います。それらのアプリを活用してまずは自分が1日にどのくらいスマホを使っているか把握することからスタートしましょう。
②主要な通知以外は全てオフにする
たとえ自分にほとんど関係のない宣伝であったとしても私たちの脳はスマホからの通知にいちいち反応してしまうようにできています。通知は必要最低限のみにしてスマホに意識を持っていかれないようにしましょう。
例えば、kenzoは家族からのLINEと電話以外は全て通知がオフとなっています。
③集中が必要な作業をするときはスマホを隣の部屋に置いておく
スマホがそばにあるだけで集中力が低下することはすでに実験で実証済みです。これは自分の強い意識だけでどうにかなるものではありません。作業中にスマホを触れてしまうことがないように作業中スマホは隣の部屋に置いておきましょう。
④誰かと会っている時は、スマホをポケットに入れたり、テーブルの上に置いたりしない
目の前にいる人がどんなに大切な人であったとしても、私たちの脳はスマホが気になって仕方ありません。誰かと会う時にスマホを持ち歩かないことは現実的ではないと思いますので、せめて電源をオフにしてカバンにしまっておきましょう。そうすれば目の前の大切な人との会話に集中することができます。
⑤寝る前にスマホをいじらない
スマホを寝る前にいじることは、睡眠の質を悪化させます。本来であればスマホを寝室に持ち込まないことが理想です。それが無理な人でも着信音が鳴らないようにしておき、寝る前に画面を見ないようにしましょう。
⑥運動を習慣化する
これは、スマホ依存を解消するためだけではありませんが、ストレスをため込まないことや集中力を高めるためには、運動することが脳にとって最も良い方法であると著者は述べています。とは言っても激しい運動をする必要はなく、散歩をするだけでも良いようです。
kenzoも激しい運動はできておりませんが、通勤ルートを工夫するなどで、歩く量を多めにしています。
![](https://zukai-de-rikai.com/wp-content/uploads/2021/04/20210328_スマホ脳6-2.jpg)
終わりに
本日はアンデシュ・ハンセンの『スマホ脳』を解説いたしました。
kenzo自身、この本を読んでスマホとの付き合い方を少し考え直してみようと思っています。
思い返してみると、誰かと会話している最中なのにスマホの画面に集中してしまっていることが多かったように思います。
以前までは、自分には集中力がないのだ、と思っていましたがこれは脳の仕組みの問題なのですね。
私たちの生活はもはやスマホがなければ成り立たなくなっていると言っても過言ではないでしょう。また、スマホが便利な道具であることは間違いありません。
だからこそ私たち人間は、スマホに心を奪われてしまわないように自分自身の脳の仕組みを理解し、一人ひとりがスマホとの付き合い方を考える必要があるのかもしれません。
本記事を読んだみなさまが、1人でも多くスマホの依存性や悪影響を理解し、行動が改善されるきっかけとなることを願い、記事の結びとさせていただきます。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
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